2017.09.01
僕が住宅の仕事し始めた頃(平成7年)、住宅ローンの最長返済年数は30年だった。(耐火建築物は35年だったかな?記憶ね)
その頃の住宅の寿命はというと、平成8年建設白書で示されているのは約26年!26年の寿命だから住宅ローンが終わる頃には建替えなきゃならないでしょ。住宅ローンも終わらせてもらわなきゃね。まっとうな論理です。
それから22年。どれだけ住宅の寿命が延びたのだろうか?いや、その前にこのデータも含め巷でいわれている住宅の寿命は正しいのか?
新耐震といわれる1981年以降建築され残存している住宅は約7割ある。(総務省「H25住宅・土地統計調査」による。詳しくはこちら。)大雑把に見ても1981年以前の建物が約3割残ってるということだ。
1981年は今から36年前だ。新しく建物がどんどん建ち続けれいるのに未だ3割の築35年以上の建物が現存している。日本の建物の寿命が良くいわれる30年程度であればこれだけストック住宅が積み上がっているというのに3割近くも築35年以上の建物が残っているはずないと考えるのが普通だと思う。
日本人の平均寿命に例えるなら、平均寿命は80歳前後だが、80歳を超える90歳くらいの高齢者が全人口の3割もいると考えて問題ないはず。ちなみに実数は、総務省「平成25年人口推計」によると。詳しくはこちら。平均寿命よりも若い75人口は12.3%。若者が減り続けているのにだよ。
やはり建物寿命のデーターがありえないと考えるんだ!新築を売るために利用されてきたともいえないか!?
日本の住宅の寿命について詳しく調べてみました。
もっとも信頼できるものはこれだと思う!
https://www.mof.go.jp/national_property/councils/pre/gijiroku/221021.pdf
財務省の「PRE 戦略検討会」(第2回)における有識者ヒアリング 議事録
この中のメンバー
早稲田大学 理工学術院 創造理工学部建築学科教授 小松幸夫先生の資料。
https://www.mof.go.jp/national_property/councils/pre/shiryou/221021_05.pdf
まだこのブログの途中段階だけど、ここでいったん、この論文、資料に記載されてある
日本の住宅の寿命をお伝えしましょう。
木造専用住宅で54年
RC造専用住宅で56.76年
(2005年 全国データ、資料は前述の小松幸夫先生のもの)
断っておくけど、この先は、完全にマニアックな話、読んでほしいところだけ赤字かなんか付けるとしよう。
住宅寿命の26年。なんなんだ?ってのがこちら。
平成8年 建築白書
第2章 経済・社会状況の変化と住生活のインパクト
第2節 住生活の充実に向けて
(住替えが少ない理由に)
以下抜粋
日本の住宅の寿命は建築時期別のストック統計から試算してみると過去5年間に除去されたものの平均で約26年。現在住宅の平均年齢は約16年とされるが…以下省略他では赤枠のなかに記載されているけれど、よくつかわれている、日本の住宅の寿命26年 アメリカ44年 イギリス75年といわれるのはこの建築白書のこの部分のこと。
平成8年建築白書 この部分はこれ
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/kensetu/h8/h8index1.html
ようするに、人が住み続けている建物はカウントされてないわけです。欠陥住宅で、とても住めない住宅や管理も手入れもされていない住宅であれば新しくても壊します。そんな壊された住宅の平均が26年ということです。1981年の26年前は1955年ですよ。昭和35年ですよ。壊したくもなる家が多かったでしょうね。
続いて、住宅寿命30年といわれるのは(こちらも先の論文小松先生のコメントから引用)
サイクル年数という言葉はあるかどうかわからないのですが、とりあえず仮に付けたもので、単純に言うとストックの数を新築の数で割ったものです。例えば、1000万のストックがあったとして、毎年10万ずつ更新されるとすれば、100年で更新されるということになりますので、それが寿命に近いのではないかとして算出するものです。このデーターはちょっと古いものですけれども、日本は30年、米国は103年、英国にいたっては141年となっております。
これは壊された建物と現存している建物の比率を死亡率として平均寿命を算出されているようです。
このデータも悲観的にみると、空き家問題が深刻な様に延命された本来壊されるべき建物が壊されていないというデータにもなります。そのため、人の命と同様に平均寿命を図ることはできません。(建物も健康寿命というがあればいいのですが)、詳しく見ていけば平均をとるにせよ築26年とか30年よりも余程信頼できるデーターであるのは間違いないでしょう。
特に、残像係数によって改めての認識ですが、築1年や2年でも建替えられる建物はあるわけです。平均寿命以上の築100年でも現存している住宅は沢山あるわけです。
この議事録はまだまだ続くのですが、結局、「木」だから長くもつ、「鉄」だからという根拠を疑うべきだ!それよりも、住宅ではやっぱり時代に合わない狭くて居心地の悪い建物は壊されるよね!的な仮説が続きます。
ソロソロ、いかようにも終わらなきゃなので、まとめます。。。。
数字や情報というのは、根拠なきものは数字遊びでしかありません。特に、住宅という経験のない買物については、如何にネットで調べようとも、1年程度住宅購入のために学ぼうとも、プロ側には勝てるはずはないのです。
いいパートナーとの家づくりを望もうとすれば根拠を求めて見極めが必要ですよといいたいわけです。なんとなく「高断熱高気密ですよ~。」「あったか●●●ですよ~。」「耐震等級3ですよ~。」
こんな言葉のなかにも沢山の根拠が詰まっているということをお忘れなく!自分の暮らしにフィットする住宅選びこそ大切です。
自分の暮らしにフィットする住宅選びといっても!そんなふうに考える方も多いはずです。そんな広島近郊で住宅購入をお考えの方はお問い合わせください。私どもはお客様の代理人として、住宅購入の疑問や不安を解決するためにサポートします。初回相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。
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