中古住宅購入前の判断基準の失敗と耐震調査

昨日の地震は広島でも震度４。芸予地震で震度6を体感していますがその時はお外での体感。昨日の震度4は古ビルの事務所の2階。揺れますね。本が落ちてこないかと心配でした。大阪でも震度４。日本一高いあべのハルカスではエレベータが緊急停止。耐震と制震構造を組み合わせた現在の技術基準の最高峰のビルでもそうとうに揺れるようです。これが震度6や7となると。。。ホント怖いですね。僕は高層ビルに住むのはやっぱり無理だ。

さて、建築業界では熊本地震において新耐震住宅がなぜ倒れたかという問題の分析をしています。

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住居とは大切な生命を守るシェルターとしての機能が不可欠です。地震や風雨による自然災害から守ってくれるものでなければなりません。その最低限の性能の先に省エネ性をはじめとする快適な空間ということにつながるわけです。

いうならば住まいを語るには、耐震についての最低限の知識は備えておくべきなのです。これは、「住」をあつかう関係者についてはいうまでもありません。問題なのは、このあつかう側に耐震に対する正しい知識がないということ。

中古流通の現状

特に問題は、中古住宅の流通においてです。現実の取引において、不動産売買契約の前に説明される重要事項の説明のさい、耐震診断の関する事項として耐震診断の有無の説明は確かにあります。

ただし『有』『無』という程度であり、しかも、昭和56年6月1日以降に建築確認を取得した物件は、説明義務は対象外なのです。昭和56年6月1日以降に建築確認を取得した物件は新耐震基準と呼ばれ、在来木造住宅にも壁量の計算が義務付けられました。事実、阪神・淡路大震災でも住宅被害は軽微だったとされています。一定の強度があるから大丈夫という感じでしょうか。。。

一方で、熊本地震ではより安全性基準が高まった2000年基準の建物さえも被害が続出したわけです。耐震に対する考えは人それぞれ。新耐震基準以降の建物だから安心できる人もいれば、より強い建物を求める人もいるわけです。

「新耐震だから」「2000年基準だから」安心といわけではありません。正しく施行されているのか、劣化は進行してないのか、途中リフォームによって大切な耐震壁を取っ払っているなどなど、安心安全を注意深く観察すれば怖くてとてもお勧めできない物件は沢山あります。

今の中古流通においては築20年25年もすれば建物評価は「０」円となり、場合によっては解体費用を差し引かれる始末です。1981年の新耐震だから安心ですよという前に、「既に建物の価値は無いのだから、細かいこといわないでね～」使用するしないは自己責任ですよ！これが中古流通における基本的考え方のようにも感じます。

改革途中の今

これを正しく流通するための動きがあるのが今です。ただし、それは一部の動きであり、知らなければこれまで同様正しい評価などしてもらえないままに安く買いたたかれてしまいます。逆に、ナンチャッテリノベーション住宅に代表されるように、表面だけ着飾り内部はすかすかの耐震性に非常に不安のある住宅に高いお金を支払ってしまうでしょう。

地震を教訓に、建物の正しい価値を知ってほしいと考えます。そのためには不動産は地域や価格だけで判断はしないでください。どう暮らすのか？どう付き合うのか？正しい価値判断の上に、ライフプランに沿った豊かな暮らしを実現しましょう。

不動産流通といいますが、「住」の基本は建築です。中古住宅を購入するにあたり、物件を見学する際は建築に精通した建築士を同席させる。もしくは第三者的見地から建物を診断するホームインスペクターをご利用ください。

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