2016.11.03
いきなり42.195kmのフルマラソンに挑戦する人はいません。注文住宅という家創りをフルマラソンとすれば建物の完成がゴールです。請負契約の締結はスタートラインに立ったにすぎません。
このように考えると請負契約を締結するまでの行動はスタートラインに立つための練習です。練習をおろそかにしていてはスタートラインに立っても最後まで走り抜くことはできません。途中棄権したり脚を痛めたりという結果につながります。そんな失敗しないために注文住宅を建築するには準備が必要なのです。マラソンも家づくりも多くの方にとっては未経験ですからね。
準備とは、最近のブログでお伝えしたように
この流れの中で請負契約を締結する相手探しです。
もちろん簡単ではありません。日常の生活の中で42.195km走れる練習時間なんてつくれませんよね。それでも走ってみることが大事です。指導者のレベルも全くの素人ではレベルを図ることすら出来ないでしょ。練習することで指導者のレベルを図ることができるようになるのです。いきなり大きく広告しているコーチにお願いしたら。「フォームは崩れるは、無駄な筋肉つくわ、騙された~!」こんな話は何処の世界にもあるでしょ。注文住宅も同じです。
聞き流すだけで英語が話せるようにはなりません。洗剤もCMのように真っ白にはなりません。広告とはそんなものです。どんなに大きな会社でも規制ギリギリレベルで広告します。ネットでいえば騙されたほうが悪いレベルです。注文住宅はリアルな世界。騙しなんて無いというなら、欠陥住宅に代表される裁判沙汰をこれほど多くめにする事は無いでしょう。リアルな世界こスタッフによる誇大な表現が発信されるのです。
坪単価に代表される価格について、今やコメントするまでもないと思うのですが、努力なしで簡単にダイエット!こんな広告と同じように、「1000万円~の家創り」「住宅ローン0円住宅 」といった低価格商品に引っ張られてしまうようです。この手の企業の戦略は表面的な標準仕様の充実です。早い段階で商談をリードし競合を排除し契約を迫ります。
確実に言えることは、契約を早めようとする行為がほんの少しでもプレシャーと感じた時点で契約すべきではありません。違和感としてプレシャーと感じているのです。他の会社を見学されて入らぬ知恵を付ける前に契約してしまえ的な感覚でしょうか!
マラソンのようにと途中棄権もやむを得ない。参加することに意義があると考えるなら別です。注文住宅を建てる場合は、途中棄権なんて考えただけで怖いことです。想像以上に大きな損失です。
損失を出さないためにスケジュールを計画しましょう。自分のペースで進めればハウスメーカーのプレシャーなんて気にする必要もありません。
ここで問題です。誰しもペース配分がわからないとスケジュールを組みようがないという現実に戸惑います。注文住宅というものは多くの方が幾度とない経験です。同じもののを創ることは無いに等しいレベルです。ペース配分もコーチに指導してもらうようになるのです。
そのコーチが一流のアスリートを育てるためにトレーニングに全面的に協力しているなら何も問題はありません。多くの注文住宅でいうコーチとは、ハウスメーカーでも工務店でも設計事務所でもあなたの窓口になる方です。ハウスメーカーであれば営業です。「まだ契約早いです。もっと練習が必要ですよ!」こんなことを言ってくれるでしょうか?
多くのケースは「取りあえず練習に参加してみて下さい!」そして、練習に参加した直後には「一緒に東京マラソンに出場しましょう。精一杯サポートします。ついては請負契約を!」こんな感じです。注文住宅がマラソンと違うのは途中でリタイヤすると精神的にも経済的にも大きな損失を被ることです。
【見積もり内容は明確ですか】
契約を結ぶ以上、材質や設備のグレードや数量を納得した上での契約することが重要です。しかし業者によっては「細かい中身は契約してから詰めましょう」と、一式○○万円といった契約を迫ってきたりもします。これでは材料費や現場経費を削り原価を抑え業者側の利益を追求されても何も言えません。見積書には図面と整合性のある寸法や数量が表示されてあること。材料の品番やグレードが表示されてある内訳明細書が添付されていることが条件です。
【支払い条件は大丈夫ですか】
瑕疵担保保険は完成後の保証です。完成するまでに建築業者が倒産しても補償対象ではありません。過去の悲劇は請負金額の多くを契約時や着工時に支払ってしまった。その後業者が倒産というケースです。契約時に50%入れてくれたらサービスしますよ!なんて甘い誘いは危険がいっぱいです。一般的な請負代金の支払いは、契約時10%、着工時30%、上棟時30%、引渡時30%です。
【引渡日の確認は大丈夫ですか】
遅いことが全て悪いこととは思いませんが、約束の日時に遅れすぎたり、そもそも何もしなかったりというのではお話になりません。しかも、引渡日の遅れは入居費用や工事のつなぎ資金、また住宅ローン減税等の税金の恩恵等、お金の面でも大きく影響します。
【請負契約約款の内容】
難し法律用語等で記載されていますが、万が一の事故やトラブルについての約束事が記載された書面です。この契約書は業者側に有利で消費者側に不利な条項や文言が入っていることは少なくありません。契約締結前には事前に請負約款を確認し、あなたにとって不利なことが無いか確認しましょう。
注文住宅のトラブルの多くは曖昧なままの契約に始まります。トラブルなく安心して工事を進めるには約束事を明確にする必要があります。
どんな暮らしがしたいかの整理をしたうえで、焦らず慎重にしっかりと確認したうえで契約しましょう。