2020.10.12
不動産業界はバブルのころのようなグレーのイメージからは随分と改善されています。それでも感じるのは、世間のイメージはまだまだグレーということ。不動産=悪徳、怖い、不愛想、暴利などなど。
事実、弊社へご相談へ訪れる方の多くも、不動産営業等によりグレーの経験をされた方が多く来られます。
確かにグレーな部分は不動産業者側の問題も多いのですが、初めての経験である住宅購入。消費者の無知でありネット情報だけを頼りに突っ走った結果によるという話も多いのです。
無知な消費者と無知のまま小手先で通用する不動産営業。ボタンの掛け違いのように悪徳不動産とかグレーな業界といわれる所以だと感じます。
こんな思考から悪徳不動産屋の罠に嵌らないための心構えをブログにしてみました。
不動産の購入は、「売主」から直接購入する場合、「代理」による購入、「媒介」によって購入する場合があります。「媒介」によって購入する場合、売主買主双方から手数料がいただけます。売主買主両者からの両手手数料が最大の利益を生むわけです。そのため「囲い込み」と呼ばれる情報操作が今もって行われています。
インターネットによって情報はオープンになりつつあります。しかし、ほとんどの方にとって経験値のない買い物。何から始めていいのかわからない状態です。ネットで準備するにしても調べる範囲は広く難解です。どうしても不動産業者に頼るところが大きくなります。
ご自身で物件の精査ができる方など皆無といっていいでしょう。不動産業者が事細かく説明してくれるかといえば必要な情報は人それぞれです。物件資料をもとに購入動機に基づく説明をしてくれてもそれは表面的なものでしかありません。そんな表面的な説明がグレーゾーンぎりぎりの説明であれば重要な問題を見逃すかもしれません。
物件の情報への格差もあり、必要な知識情報の格差もあるのです。人によって必要な情報でも、売主や媒介業者にとっては聞かれれば答えるレベル。瑕疵保険や税制の問題など物件によりけりです。お客様によってはこれらの問題も「教えてくれなかった!」=悪徳不動産屋ということになりますよね。
「聞いてた話がころころ変わる。」「まともに質問に答えてもらえない。」こんな話なら悪徳というよりただの馬鹿者です。購入前に立ち止まれるでしょう。(そうでもないのが情報格差だったりもしますが。。。)
問題は、業界内でも問題定義されていますが「囲い込み」や「おとり広告」。決断を左右するような重要な告知事項でさえグレーゾーンは多いのです。欠陥住宅に代表される建物の欠陥など「表面リフォーム」によって包み隠されているかもしれません。
嘘とまで言わないまでも都合の悪いことは伝えない。グレーゾーンへは踏み込まない。これらが、購入後の重大な後悔へつながり裁判等へ発展しています。
利益を追求するのは当たり前。安く仕入れて高く売る。この主張に反論するつもりはありません。売主の利益も買主の利益も損なわない正攻法で取引されているのならという前提です。
前述したように囲い込みやおとり広告は競争原理はありません。価格だけの問題ではありません。調査レベルや契約内容。不動産取引には決め事はたくさんあるのです。そもそも詳細な情報を取得しなければ正当な価格がいくらなのかもわからないでしょ。
建築条件付き土地などいい例ですね。土地で釣って建物で利益を取る!的な。
情報操作や適切な提案なしに強引なまでの営業攻勢では、まっとうな思考で判断はできません。それも囲い込みされた物件情報では、売主も買主も比較検討することさえむつかしいものです。大手という看板や地域密着という看板を背に、煽るだけの強引な営業スタイルが存在しています。
同じものが二つとない不動産。煽られる営業スタイルが通じちゃんうんですよね。。。
経験値がない買い物であることは誰もが無知なのです。必要な情報は人それぞれ。A4レベルの物件資料で数千万円の不動産を購入しようとしていることに疑問を持っべきです。
令和時代、詐欺師のような不動産業者、悪徳不動産屋という業者は、そんな多くは存在しません。(住宅に限ればというお話です。サブリースの問題が社会記事になりましたが不動産投資の世界にはまだまだいるのでしょうね。)とはいえ、皆様が考えるよりも多くの問題意識をもって取り組んでいる不動産業者も少ないでしょう。誰しも効率よく結果を残せるほうがいいに決まっています。
その証拠に囲い込みはなくなりません。インスペクションや瑕疵保険加入も伸びません。適切な住宅ローン選びや細かな資金計画も提案する業者は少数です。
あなたにとっては人生最大の買い物です。(売主にとってもそう何度もない経験)購入金額に見合ったサービスを受けたいと思っても、担当する営業が、同じレベルで向き合っていては時間が足らないかもしれません。
プロとして手取り足取り教えてくれるもの!これは勝手な思い込みです。媒介という仕事とコンサルティングは違います。悪徳不動産屋を恐れる前に自分の無知を知ることです。
特にリスクが多いと思える物件であればなおさらです。私道のリスク、中古戸建のリスク、建築条件付のリスク、数えればきりがありません。二つと同じものがないのが不動産です。それをネット検索で立地と価格。僅かな物件概要で判断することのほうがどうかしています。勝手に突っ走って、後から、あーだ―こうだと言っても後の祭りです!
自分自身の無知を知り、質問力を高めることで、ベストなパートナを探しましょう!
化石のような悪徳不動産屋に出会う確率よりも、あなたの無知の中に悪徳不動産屋が存在しているということを知るべきではないでしょうか?
ご一考いただけると幸甚です。