2020.05.17
日経新聞らしくここ数日はコロナ禍による経済分析が増えてきましたね。あのレナウンが民事再生するわけです。この先も痛みは伴うのは否めないのでしょう。
僕の会社は会社といっても体裁だけで個人事業主と同じです。経費は最低限レベル。僕と家族が最低限の暮らしをすれば事業を継続できるのかなと考えています。
コロナは誰もが何らかの影響を受けているはずです。一方で、コロナだからこそ見えてきた近未来の暮らしもあると思います。ここはポジティブに考えていきましょう。
ど~も、元ハウスメーカー支店長の田中です。
コロナ禍により、新しい新築供給は減るはずです。特に、事業者のリスクである建売やマンション。それでなくても在庫が結構な数あるわけです。なおさらだと思います。こういう時期は中古住宅の需要が増えるのかもしれません。
そんなわけで中古住宅。特に中古戸建の魅力について考えてみます。
中古住宅は新築より2割安くなる。そんな話を聞いたことありませんか?場合によっては4割とか5割とかって話もありますね。このお話をいちいち調べデーターをとって検証はしません。しませんが決して間違いでもない話というのは、感覚としても、不動産流通の仕組みとしても、納得できます。
まず、中古住宅の定義についてご理解ください。不動産ポータルサイトで人気のスー〇さんの定義によると。中古住宅とは
不動産の広告表示ではもっと厳しく
なので、建売で新築未入居でも中古として広告されている物件はあるということをまずもって理解しないと、ここでいう中古住宅が本当に2割安いかの比較はできません。
そもそも1年も2年も売れていない建売住宅が値下げされず売り出し価格のまま放置されていることは少ないものです。適正な価格まで下がったとき売れているものと考えるのが普通です。
「中古住宅は2割安い。」これは、適正な新築価格と比較が前提でければ正しい評価とは言いませんよね。
2割安いをひも解いてみましょう。仮に、新築建売が3000万円で販売されているとします(適正価格として)。この3000万円の住宅をAさんが購入しが、何らかの事情で入居後1週間で売り出したとしましょう。この住宅は中古住宅です。このとき、この住宅は2400万円になるということです。
この前提は土地建物3000万円の建売が2400万円になるというお話です。ない話ではないとも思えます。しかし、この物件はすぐに売れます。市場にはながれず業者が買い取り再販売されるでしょう。2割安いを利用されたケースかもしれません。
現実的な「中古住宅は2割安い」は3000万円のうち土地が1200万円建物が1800万円。この建物部分のお話と理解した方がいいでしょう。建物が2割安くなるを正当化する価格は2640万円です。こんなものすよね。
前述したのは、ほぼ新築レベルを中古住宅という定義で2割安いを検証してみました。ここでは5割安いを検証してみます。
入居後15年経過した中古戸建。土地1500万円 建物は35坪 新築時価格を坪50万円とすると建物部分は1750万円。1750万円の5割安は=875万円。この中古住宅の不動産価格は2375万円。
小学生の算数レベルのお話でしょ。不動産金融工学という言葉は聞いたことありますが不動産工学という言葉は聞いたことないことに気づきました。そうなんです土地の不動産価格はシビアに査定されますが中古住宅の建物部分については小学3年生レベルです。(笑)
話がそれました。当然に綺麗に使用されているか否かによっても価格差が生じます。でも何となく間違ってない感じでしょ。
もう少しだけ深堀します。日本の住宅寿命はは20年とか30年とか言われてますよね。(新築を販売するための嘘ですけど。詳しくはこちらをご覧ください。日本の住宅の寿命の嘘について!)
築30年が寿命だから築15年はあと半分しか寿命ないから5割引きね!こんな単純なお話なんだと思います。
中古住宅は2割安くなる!5割安くなる!で、ご覧いただいた売り出し価格。同じような理由で築30年もすれば中古戸建になると建物はタダですよ。もっといえば、利用価値を認めてもらえない建物はタダというより解体費を差し引くから「ここに新築建ててよ】的に当初から「中古住宅」としてよりも「売地」として販売されたりもします。
新築であれば需要を見込める!その程度の不動産としてしか市場価値を見出せてないのでしょう。その方がビジネスはしやすいですし。。。
結構な長文になりました。中古流通促進の立場にある僕的には、こんな不動産市場だからこそ「中古戸建は宝物でいっぱい!」常々の主張です。このブログでは、価格という側面を取り上げましたがもっともっと中古戸建は魅力的な話でいっぱいですよ。
特に、駅近とか、資産性とか、お金以外の価値。住む価値、暮らしの価値、に重点をおかれる方にとっては、より取り見取りなのが中古戸建の市場だと考えます。魅力でいっぱいなんです!
もちろん中古住宅だから気をつけなきゃならないこともいっぱいです。このブログのカテゴリー「ホームインスペクション」もお時間があればのぞいてみてください。(^^♪
ここでは建売との比較をしました。注文住宅の場合は、もっと開きが出る可能性があります。こだわって注文住宅を建てた方が何らかの事情で売却する際は、こだわりに価値を認めることのできるパート―な選びが重要です。
ここで示したような評価の仕方で売らなきゃならなくなったら大変ですよね!広島市近郊でそんなお悩みをお持ちの方は是非ご相談くださいね。