2016.12.27
全国のホームインスペクターが待ち望んでいる法律の改正時期がある。それは、宅建業法におけるインスペクション(建物状況調査)に関する規定。2年以内ということだったのが決まったんだよね。2018年4月1日に!
これにより、媒介契約締結時に不動産屋さんは媒介依頼者(主に売主さんだよね)に対して、インスペクション業者の斡旋の可否を示さなければならなくなるんだ。
これでは、正直なところ癒着を疑わざるえない。絶対に駄目!ただし、インスペクション?何それ?この状況が不動産流通においてインスペクションが当たり前になると考えると一歩前進かな。。。とポジティブに考える僕がいる。
これだけじゃない。重要事項説明時に、不動産屋さんは買主に対してインスペクション結果を説明しなければならない。
「築10年で新しいからメチャお買い得ですよ!」といわれても、住んでみたらシロアリ被害、家傾いてるし、そんな家が土地代+1500万円だったらいかが?「新築買ったほうが良かったじゃん!」ということにならないかな。。。
大丈夫、大丈夫、瑕疵保険にも入れるしミタイナ流れだろうけどね。。。僕らからすると、よくこれで瑕疵保険に入れたな!そんな中古住宅でいっぱいなんですけど。。。
百歩譲って、状況を理解した上での瑕疵保険目的ならまだしも、前述したように不動産屋さんと検査員の癒着となると売買に利用されるだけ。アメリカではインスペクションが普及する前にはここで心配している癒着の歴史があったんだって。日本も同じ道を歩まないといいが。。。歴史が繰り返すなら。。。ねぇ。。。
そんなこんな問題があるが、もう一つ、売買契約締結の際に、建物の現況を、売主と買主が相互に確認した上でその内容を宅建業者から売主と買主に書面で交付しなければならなくなるんだ。
不動産屋さんからするとメチャ面倒になる。建物の状況について説明するわけだからお客さまからは質問が返ってくる。答えられなければ先に進めない。今から建築のお勉強は必至ということ。この先、不動産業と建築業の垣根がなくなるのかな~なんて妄想も必然だろ。
雨風をしのぐところから始まった戦後日本の住宅政策は量の確保から質へ移った。新築住宅中心であれば建築基準法の改正で追いついてきたのかもしれない。だが今や空き家をどうするかとい問題解決が急務である。長い間、ストック住宅を市場で流通させるためにはどうすべきかという議論がなされてきたわけだが、やっと、一つの節目を迎えるような気がする2016年の年末である。
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